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さてさて講座3回目です。皆様お元気ですか(笑)
エプソンの顔料プリンターPM-4000pxが出てからプリントを自家でやる人が増えたと思います。銀塩よりもはるかに耐久性に優れる点と、もちろんその画質の優秀さが評価されてのことです。
カラーで印刷する限り、僕はこのPM-4000px以上のプリンターは必要ないんじゃないかと思うくらいなんですが(光沢紙に刷れない、とか、印刷時間が異常に長い、とか、文句を言う人もいますが、僕には気になりません。もともと光沢のプリントは好きじゃないし、A3ノビ1枚に40分かかってもこの画質なら許せます)、ただ、この機種に限らず、インクジェットプリンター最大の泣き所はモノクロ印刷です。
いや、モノクロは刷れます。正確に言うと「白黒」が刷れないのです。
PM-4000pxで白黒データを印刷すると、かならず色が転びます。これは同じ機種でも一定ではなく、個体差があります。僕が仕事場で使ってる2台はやや緑系に転びますし、自宅のものはシアン系に転びます。
職場にある業務用顔料プリンター(エプソン・クリスタリオ)はモノクロのニュートラルさを売りにしていましたが(PX-5000と同系のインク)、それでもブルー系に転んでいます。色を混ぜて白黒を作るインクジェットプリンターの、これは宿命ともいえる弱点なんですね。
この色転びを解決する方法として、まずどの技法書にも載っているのがダブルトーンによる調色効果です。どうしても色が転ぶなら、転ぶ色調と逆の方向に先にデータの色を転ばせておく、という発想です。
ただ、ブラックインクと何を混ぜれば印刷して正確な白黒になるのか、とにかくいろんなデータをとってテストプリントを作りまくる、そういう根気のいる作業です。時間もお金もかかります。
凝り性の人になると2版のダブルトーンでは飽きたらず、3版、4版と重ねて深い沼にはまっていく人もいるようです。僕は個人的には「これでok」と思えるデータを持っていますが(2版です)、ここで公開してもプリンターの個体差があるので無意味。なので書きません。
実は、上記のダブルトーンと同じ発想(どうせ転ぶなら逆方向へ先に転ばせておく)で、もっと簡便な方法があるんです。これは何も僕のオリジナルではなく、玄光社のデジタル技法書に載っているものなんですが、僕が今まで試した中で、一番わかりやすい方法です。仕上がりも上々。
まず、自分のプリンターで、完全なモノクロデータを刷ってみてください。
言うまでもないことですが、プリンターのオート機能は一切使わないこと。色補正なしで、プリンターと使用紙固有のプロファイルを載せたモノクロデータを印刷します。
(プリンターのオート機能はすべて外し、プリンター機種と使用紙のICCプロファイルを載せた画像を印刷する、というのが基本中の基本ですが、ここんところわからない人、います? 煩雑になるのでここでは解説しませんが・・・いいかな? わからない人、メール等で質問受け付けます)
で、昼の日中に、外光下で、そのモノクロデータがどちらに転んでいるのかを観察してください。個体差があると書きましたが、今まで暖色系に転んでいるPM-4000pxを見たことがありませんから、ブルーかシアンかグリーンか、いずれにせよ寒色系に色が偏っているはずです。
ここまで書いて、今からいいところなんですが、長くなったので続きは明日(笑)
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